大切なもの。

人は大切なものは捨てません。その人にとって本当に大切なものは、むやみにゴミになる事はなく、もしかしたら必要がなくなってからも飾られたり、子供たちに受け継がれたりするかもしれません。バルミューダデザインの全ての製品はお使いいただく人にとっての「大切なもの」になる事を目指してひとつひとつ丁寧に作られています。

私たちの経済活動が生み出したゴミや二酸化炭素は地球の自浄能力を大きく超えてしまっています。子供たちは大きな困難に直面するでしょう。私たちはなんらかの努力をする必要があります。しかし、それは子供たちのためではなく(彼らが何よりも愛おしいという気持ちは置いておいて)、また、地球のためでもなく、私たちが当然取るべき責任として。部屋を散らかしたらその人が片付けるのが当たり前だからです。

現在、多くの団体や企業が環境問題に注目し、様々な取り組みをしています。なるべくリサイクル可能な材料を使用し、有害物質を使用しない。簡易包装などもその一環です。私たちも、ものを作りながら、出来る限り環境へのダメージが少ないように努力しています。例えば、削り出し製品の「削られた」方のアルミ二ウムはもちろん、再び材料になります。しかし、これらが「部屋を片付ける」事だとすれば、最初から「部屋をなるべく散らかさない」努力はしなくて良いのでしょうか?

自治体の運営する巨大なゴミ処理施設に行けば、大量生産され、大量消費されたものが、次々に廃棄されていく様子をいつでも見る事ができます。それらの多くはそのままでも、あるいは少しの手をかけて直せば、十分に使えるものばかりでした。にもかかわらず、捨てられていくのはなぜでしょうか。直すのが面倒だったり、新しいものが欲しかったりと、その理由は様々でしょう。しかし、それ以前にも原因があるのではないでしょうか。残念ながら、私たちがそこで見た「捨てられていくもの」には、長く使いたいと思わせる魅力が備わっているとは思えませんでした。

安価な素材や表面処理、最低限の構造体など、一旦、傷ついたり、塗装やメッキがはがれたりするときれいだった製品も一気に魅力を失っていきます。このような製造方法が、価格的に、また製品サイクルのために非常に有効であることは十分理解できます。しかし、製品が安く、早く、ただ売れれば、それで良いのでしょうか。そのあとの事、使用され捨てられていく事、また、捨てられるまでのスピードを考えなくてもいいのでしょうか。私たちは少しでも長くお使いいただける製品を作る事は、現代のメーカーにとって重要な課題なのだと考えています。

バルミューダデザインの製品の多くは、無垢の材料から作られています。そして、その製造方法、過程も私たちが適切と判断した方法で行われています。私たちは、製品が十分に意味深く、月日が経っても変わらない魅力を備えていた時、それがゴミになる事は少ないと考えています。たしかにこのような製品を作り出す事は困難です。また、製品がお使いいただく人にとっての「大切なもの」になるのは非常に難しいでしょう。しかし、私たちはそうなる事を目指し、努力を続けています。

ものを生産し、消費するという事はエネルギーを使い、将来の廃棄物を増加させるという事に他なりません。しかし、それは私たち全員にとって重要な営みであり、決してその歩みを止める事が出来ないのも事実です。バルミューダデザインはメーカーとしてこれらの問題に対するより良い答えを探している途中でもあります。この問題について、ご意見、ご感想などがありましたら、是非お声をお聞かせいただきたいと考えています。

BALMUDA design