2008年09月28日 23:36

iPhone / iPod touchをお使いのコンピュータのテンキーにするApp「NumberKey」をリリースしました。
まさか、BALMUDAがAppを出すとはと、意外に思われた方もいらっしゃるかもしれません。私たちも、一ヶ月前には、まったく予想していませんでした。
今回のアプリケーションは、まず、私個人がiPhoneに触れる中で、その素晴らしさと可能性に感銘を受けたというところから始まっています。使い始めた時の衝撃は、Mac以来でしょうか。感動していました。と同時に、「これでもっと何か出来るのではないか」という思いがずっと頭から消えませんでした。
私は、バルミューダデザインを、「持ち物を少なくするため」に始めました。物を少なくするため物を作るというのは、矛盾ととられるかもしれませんが、この信念は、今でも全く変わっていない、このメーカーの核の思想です。
iPhoneを使っていて思ったのは、タッチパネルとその操作体系、無線技術、ある程度高速なプロセッサをコンパクトに搭載したこの機器を、ソフトウェアによって、別の道具に変える事ができるという事でした。これだけのハードウェアは、世界でも有数のトップメーカーにしか作れません。しかし、追加アプリケーションという扉が開かれていた事で、私たちでも、この機器を利用して別の機能を提供できるのです。
そして導き出されたのが「テンキー」でした。例えば外出先でノートブックでCADを使用する時、数字入力が困難に思う事がこれまで何度もあったからです。大きさもちょうど良い。
ある機能を持った道具を、必要な時だけ呼び出す事ができ、普段はその存在自体が無い。ハードウェアメーカーを営んできた者としては、それは、究極のプロダクトです。もちろん、iPhoneというプラットフォームがあったからこそ出来た事ですが、それを実現できるのがソフトウェアです。しかも、230円で、ある機能的な道具を提供できる。今回は、ソフトウェアの威力を思い知らされました。
NumberKey、私たちにとっては初めてのソフトウェア製品になりましたが、結果的は、非常にバルミューダデザインらしい製品になったと、個人的には思っています。これから、機能の追加や、Windows対応に向けて、バージョンアップして行きます。そしてまた別のアプリケーションのアイディアも・・・
しかし、ソフトウェアの力を借りても、iPhoneをハサミにすることは出来ません。人間にはハードウェアが必要です。そして、その機能をほぼ無限に、増幅、拡張する事ができるソフトウェア。可能性にどきどきします。今回のNumberKeyプロジェクトは、バルミューダデザインの今後のモノづくりに大きな影響を与えてくれたと思います。
今回のプロジェクトは、着想からApp Store での販売開始まで、3週間強。当初から短期間でリリースする事が目的でした。最初は無謀にも、自分たちで、まったく経験の無いObjective-Cのプログラムを作ろうとしました。そして短期間では絶対無理と気づくのに、最初の一週間を使ってしまいました。にも関わらず、このスピードでリリースする事ができたのは、ご協力いただいたHMDTの木下さんのお力によるところです。この場をお借りして、あらためてお礼を申し上げます。
2008年07月03日 13:00

Airlineのデザイン案は出来たものの、しばらくはそのままになっていました。それは、先行して開発にかかっているものがあったり、それらのリリース作業等があったため。
実際に本格的な設計にかかり始めたのは07年の3〜4月ごろだったでしょうか。
デザイン画から、その関節部分の設計が大変になるだろうという事は明らかでした。出来るという自信もありませんでしたが、とにかく、「これを作りたい」という一心で作業が始まりました。
どうすれば実現できるか分からない、という意味では、本当に手探り状態から設計が始まりました。
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2008年05月21日 00:05

Airlineのデザインアイディアが出たのは、約2年半くらい前。確か、2006年の初頭だったと思います。これは私が一番最初に描いたスケッチ。
このスケッチは、色々な未来の製品を考え、落書きしていた時にたまたま描いたものでした。
当時からバルミューダデザインには「Highwire」という強力な製品があったので、特に次のデスクライト、可動式のデスクライトを作ろうという気はありませんでした。では、なぜ作ったのか。
それはこのスケッチを描いたから。そしてこの向こうにある実際の製品を想像し、そのスタイルに惚れてしまったからです。
「何か翼のようなもの」あえてコンセプトを言えばそんな感じでしょうか。どうも個人的に「片持ち構造」が好きなようで、このスケッチでも中間の関節部分はそうなっています。実際の開発ではこの部分には何度も泣かされましたが、、、
早速CADでモデリングして、色々な角度から見てみます。続きのページでは、一番最初のレンダリングを公開しています。
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2008年05月11日 22:41

少し、タイミングが遅くなってしまいましたが、、、
「Airline」を発表しました。
遂に、遂に、発表にこぎ着けたというのが実感です。今のバルミューダデザインの力を出しきりました。
この製品については、書きたい事が多すぎて何から書けば良いか分かりません。このため、製品ページにも恒例の「デザインストーリー」を書いていません。というか、書く時間がなかったという理由もあるのですが、、、(発表当日にウェブ用の写真撮影を行っていたくらいですから)
一年がかりの仕事がやっと、日の目を見たという感じでしょうか。
デザイン構想からは2年、本格的な開発が始まってから発表までに丸1年がかかりました。
バルミューダデザインとしては初めて3DCADを導入したり、プラスティック部品を作ったり、ダイキャスト部品を作ったり、とにかく初めてづくしの開発になりました。
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2007年12月04日 17:59

バルミューダオンラインストアがオープンしました。
バルミューダオンラインストアは、最初から最後まで、私たちが目指すブランドの雰囲気の中で、お買い物をしていただくため、通常はデザインや美しさとは縁のないショッピングカートや、お買い物お手続き画面まで、バルミューダデザインの意思が反映されています。
使いやすく便利に。そして美しく。バルミューダオンラインストアにぜひご来店ください。
制作期間約2ヶ月。私たちにとっては、「やっと」ストアがオープンしました。後日、ウェブチームスタッフからも報告があると思いますが、今回もバルミューダらしい仕事ができたと思っています。
今回のストア作成、始まりは(12月3日までの)現行システムでは、やはりお買い物が不便ということでした。そこでカートシステムの導入となったわけですが、一般的なASP(カートシステムとサーバーをレンタルする業者)の提供するカートシステムでは、どうしても納得が行かず。
例えばアカウント画面やお買い物手続き画面などは作り込む事ができず、レイアウトなどはデフォルトのまとまっていないまま。ブランドを感じさせる事などできません。それは例えば、高級インテリアショップで買い物をするのに、倉庫の裏にあるレジに連れていかれるようなもの。
そして、お買い物の最初から最後まで、バルミューダデザインの意思が反映されているストアを造るという目標が立てられたのです。
これを達成するためにオープンソースのカートシステムを大改造するという道が選ばれました。製品作りを本業とする私たちにとっては、やや茨の道でしたが、目標は達成するためにあるもの。
私がデザインを上げたのが10月中旬だったので、それからは突貫工事でした。スタッフの頑張りにより、想像した通り、希望した通りのストアが出来上がりました。
製品ページがきれいなのは当たり前ですが、そこからのカート画面、お買い物手続き画面、また、アカウント画面など、全てのページで私たちが考えたデザインと使い勝手を実現しています。お時間がありましたら、ぜひアカウントだけでも作成してみてください。
ちなみに現行のストアでないメインページのベースは、基本的に2003年の創業時から変更していません。実は、私が全て作っていました。そして、今回、ストア作成しているのを横から見たり、口出ししたりしていると、、、ウェブの技術革新がとても新鮮でした。これからウェブでは相当面白い事ができそうだなと、今さらながら思い知らされました。
ともあれ、無事スケジュール通りにオープンできた事、スタッフと協力してくださった方々のおかげです。良い仕事をしてくれました。どうもありがとう。お疲れさまでした。
2007年09月02日 13:48

先日発表した、磁器製のケーブル&アダプターオーガナイザー「Colony」
個人的には、バルミューダデザインがこれまでリリースしてきた製品の中で、最も好きな製品です。その理由はと、問われれば、「振り切れてるから」となるでしょうか。
Colonyの製品アイディアが出た時、いつものようにいろいろな人たちに話をしてみました。この企画段階での反応も、Colonyは、特別でした。分かってくれて、「画期的だ」と言ってくれる人と、全く理解してもらえず、何の事だか分からないと言う人。そのどちらかしか居ませんでした。ここまで反応が真逆に別れるのも珍しい事です。
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2007年07月17日 20:40

Silenceは、トップのアクリルが光ります。でも、このアクリルは無垢の材料からの削り出し。中も材料が詰まっているため、当然何も入っていません。では、なぜ、光る事ができるのでしょうか。
実は光源となるLEDは、真下からこのアクリルを照らしています。この時、アクリルがクリアで透明な状態だと、光は透過してそのまま通り過ぎてしまいます。これだと、真上の天井だけが明るくなり、アクリルが光って見える事はありません。
Silenceのアクリルが光って見えるのは、その表面全体がある特殊な方法で荒らされているから。
荒らされた表面は細かい凹凸ができています。この凹凸に光が当たり、乱反射し、結果、アクリル全体が光って見えるようになっているのです。写真は荒らす前と荒らした後のアクリル。この不透明感が光って見える理由なのです。
でも、ここまではまだ、「Silenceの秘密」ではありません。では、どこが「秘密」なのでしょうか。
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2007年07月11日 01:34

先週、フロアライトSilenceを発表しました。最小のエネルギーで必要最低限の光を得る事ができる照明です。
製品の「デザインストーリーページ」にも書きましたが、夜をもう少し暗くできないだろうか、そんな事を考えながら設計、デザインした製品です。
私の田舎では、少なくとも私が中学生や高校生だった頃には、月の光がとても明るかった事を思い出します。晴れた夜の月の明かりの下では、驚くほど影がくっきり見えました。遅くなった夜の帰り道、誰もいない道路やあぜ道を月の光が照らしていました。静けさと共に。
しかし、例えばそこに車が通ると、ヘッドライトの強い光で月影で見えていた世界は一瞬見えなくなります。車が通りすぎるまで。
Silenceのデザイン作業時、よくこの事を思い出していました。その人の置かれている状況にとって必要以上の明るさは、物を見えにくくするという事を。
以下は、私がデザインや物の制作を仕事としているせいかもしれませんが。
例えば、一枚の紙。一冊の本。明るすぎる蛍光灯の光の下よりも、窓から差す光の中で見た方が、明らかに物質感や存在感が伝わってきます。
物を良く見るためには、また、感じるためには、明るさよりも、むしろ暗さの方が必要なのかもしれないと思っています。そして夜の暗さの中でこそ、考える事や思いつく事もあるのだと思います。
私たちが夜を過ごすにあたっての明るさと暗さ。そんなことを、もう少し考えていきたいと思っています。
2007年06月23日 13:09

Highwireの開発は、3年前の夏に始まりました。今だにHighwireと同程度の明るさを達成しているLEDライトを知りませんが、開発時は、全くお手本のない状態。というか、出来るのかどうかも分かりませんでした。
なかでも、一番大変だったのは、とにかく「放熱」。
Highwireで使用されているハイパワーLEDは、通常の高輝度LEDの50倍の電流が流せるというもの。つまり、大きなエネルギーを入れて、その分、明るさを得ているのですが、同じように、発熱量も大きくなるのです。そして、やっかいなのはLEDの上限温度。これを越えてLEDを使用すると、あっという間に壊れてしまいます。
連続して電流を流し続けても、上限温度を越えないようにする工夫が必要でした。
その工夫のうちのひとつが、ヘッドに空いている、248個の穴。
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