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Interview #03写真家・中川正子さんの
家族と過ごす朝の時間

with BALMUDA The Range

岡山に拠点を移して12年。写真家として活躍する中川さんに、仕事の原動力となる家族と過ごす時間や食事、大好きなキッチンという空間について聞いた。中川さん自身が撮り下ろした写真と共にお送りする。

家族が自然と集まるキッチン、
みんなで過ごす食事のあり方。

平日は朝ごはんをとらないという中川さん。ただ、息子・サイくんのために一緒に食卓につくことは欠かさないのが朝のスタイルだ。

「息子がひとりぼっちで朝ごはんを食べるということはしたくないんです。夫も一緒に朝ごはんを食べられることが少ないので、私は自分のためにお茶を入れて、息子の隣に座っています。1日に1回は家族で食卓を囲むことを大切にしているんです。食べ物の質というより、そういった食事のあり方を息子の記憶にも残したいと思っています」

写真家である中川さん、建築家である夫の俊男さん、学校とサッカーなどの習い事に励む息子のサイくん。それぞれに忙しい日々を送っているが、たまにある全員がおやすみの日の、家族でのブランチの時間を楽しみにしているという。

「何時に起きるとか、何かをやらなきゃという意識をなくし、なるべくだらだらしています。好きな時間に起きて一人ひとりが好きなことをして過ごし、だんだんお腹が減ってきたねという感じになったら自然とキッチンに集まる。何を作るかみんなで相談して、いつもの朝ごはんとは違ったものを作っています」

2011年に岡山に移住してから家族3人で過ごす時間が増えたことで、一緒に料理をする機会も頻繁にあるという。昨年自宅をリノベーションし、その時間はさらに心地のいいものになっているようだ。特にキッチンには中川さんの希望が詰まっており、バルミューダのオーブンレンジも馴染んでいる。

「キッチンは家の真ん中にあって、みんなで料理を作りやすいようにしてほしい。そんな希望を建築家である夫が叶えてくれました。自宅の目の前にある山を見ながら料理ができて、人が集まるキッチンにしてほしいということも伝えましたね。

あと、私は整理整頓が得意じゃないので、とにかく物が入る棚も作ってもらって(笑)。バルミューダのオーブンレンジも棚に並べています。直感的に使えるデザインで、機能もシンプル。いろいろな機能があっても意外と使いこなせないし、こういうものがほしかった!という感じでとても気に入っています」

いい素材とシンプルなレシピ、
素材の味わいを楽しめるのが
オーブン料理。

時間の流れが緩やかになる休日によく作っているというのが、その時々に家にある素材を使ったグリル野菜やサイくんの好物であるポテトグラタンなどのオーブン料理だ。

「グラタンは、神戸のビストロのシェフにレシピを教えてもらいました。じゃがいもとチーズと生クリームだけのすごくシンプルなものなのですが、息子にもその友達にも大人気。『うちのママは料理がうまい』と息子が友達に話していて、そう思ってくれているんだって嬉しくなりました」

「グリル野菜は、しょっちゅう作るわけではないのですが、角皿に並べてオリーブオイルと塩をまぶして焼くだけで見た目も鮮やか。根菜系が好きなのでたくさん入れます。以前、レストランでグリル野菜を食べた時ににんじんが縦にスライスされていて、それを真似しています。いつもと違う切り方をするだけで、なんだか特別な感じがして。

見た目が楽しいと食事の時間もわくわくしますよね。だから、いろんな色の野菜を使って、実は焼いただけなのに、なんだか手の込んだものを作った、みたいに見えるようなことはよくやっています(笑)。時間があるからこそできるグリル野菜を味わうと、いい午前中を過ごしているなと感じられますね。

グラタンもグリル野菜もシンプルなレシピだからこそ、「いい素材を使うことが大切」と中川さんはこだわりを語る。

「私の料理はなんせ手抜きばかりなので、できるだけいい素材と調味料を使うことが基本。いい素材を使うと、ただ焼いたり蒸したりするだけで十分おいしくなるし、逆に適当な素材だとずいぶん手をかけないとおいしくならないと思うんです。

グリル野菜は、なんでもかんでもオーガニック野菜というわけではないですが、可能な範囲で生産者の顔が見えるおいしい野菜、ハーブ塩や岩塩などのお塩、生で食べてもおいしいオイルを使っています。グラタンのチーズも、決め事はないですが、目についたおいしそうなチーズをその時の気分で何種類か混ぜています」

家族と過ごす休日のブランチは、
今しか経験できない大切な時間。

「こだわりと言っても、あくまで“できる範囲で”ということです」と繰り返す中川さん。ある程度好きなものを選ぶけれど、自分が心地よくいられるように決まりを設けないという、その軽やかなバランス感覚はどこからくるのだろうか。

「私は20代の頃に菜食主義で、食に関して様々なトライアルをしてきたのですが、いろんなことを試しているうちに、強いこだわりに足を取られすぎてしまっていました。“絶対オーガニック野菜じゃないとダメ!”と決めていたら、それがないところでとっても苦しい思いをしてしまったり、根源的な食の喜びや人が集まる喜びを失ったり……。その経験を経て、自分のこだわりを優先させるよりも、トータルで幸せになる食のあり方が私にはフィットすると感じるようになりました。

だから、今は、選択肢としてオーガニックのものがあれば優先して手に取るけれど、ないのであれば手の届くところにある元気そうな野菜を選びます。私のなかでは、食の楽しみや喜びが最優先で、農薬を使っているか否かみたいなことが絶対の判断基準ではなくなりました」

食の喜びや楽しみ。それを十分に堪能するために、中川さんは、「なんとなく食べるのではなく、いちばんおいしい状態で食べること」も大切にしているという。

「温かいものは温かいうちに、冷たいものは冷たいうちに食べること。たとえば、グラタンだったら、オーブンに入れるところまで準備しておいて、いつ頃食べられるか家族に聞き、逆算してからオーブンのスイッチを入れるなど時間配分を考えています」

家族と過ごす休日のブランチ時間。中川さんにとって、今しか経験ができないかけがえのない時間であるという。

「大きいリビングダイニングになんとなく家族が集合して、それぞれ違うスポットではあるけれど同じ空間にいる。各々居心地のいいことをしながら、話したり、お互いの様子を見たり見なかったりもする。

息子もあと6年くらいしたら家を出ていくと思うので、こういった家族で過ごす名前のない時間は、10年後には“すごく貴重だった”と思い返す時間になると思うんです。普段慌ただしく過ごしてしまっている平日に比べて、家族でブランチをするようなゆとりのある日は、人生のなかでも大事な時間を過ごしているのだと再確認することができます」

Edit:MAGAZINE HOUSE CO.,LTD , 
Photo:Masako Nakagawa, Interview:Aiko Iijima

中川正子さんのBETTER MORNING RECIPE #1ポテトグラタン

じゃがいも、チーズ、生クリームのグラタン。シンプルだからこそのじゃがいもの濃厚な味わいと香ばしいチーズが食欲をそそる。

材料

じゃがいも…3個、牛乳…100㎖、生クリーム…200㎖、チーズ…適量(複数のチーズを使用)、黒胡椒…適量

作り方

  1. 皮を剥いたじゃがいもを、5㎜幅にスライスする。
  2. 牛乳を鍋に注ぎ、スライスしたじゃがいもを茹でる。
    *牛乳で茹でることで、できあがりの水っぽさがなくなり濃厚な味わいに。
  3. 茹でたじゃがいもを耐熱皿に敷く。
  4. 並べたじゃがいもの上にチーズをたっぷりかけ、生クリームを注ぐ。
  5. 200℃のオーブンで15分加熱し、チーズに焦げ目をつける。

中川正子さんのBETTER MORNING RECIPE #2グリル野菜

その時々にある野菜や根菜を自由に使った、目にもおいしいグリル野菜。お塩とオイルはちょっぴりいいものを選ぶのがポイント。

材料

お好みの野菜…BALMUDA The Rangeの角皿にぎっしり入る量(中川さんのおすすめは根菜類)、ローズマリー…2~3本、オリーブオイル…適量、ハーブソルトや岩塩などお好みの塩…適量

作り方

  1. 野菜を食べやすい大きさに切る。にんじんを入れる場合は縦にスライスする。
  2. 角皿にクッキングシートを敷き、切った野菜を並べ、ローズマリーをのせる。
  3. オリーブオイルと塩を全体に振る。
  4. 160℃のオーブンでじっくり30分加熱。(オーブンモード)
    ※トマトを入れる場合は、加熱後約15分の時点で追加する。

中川正子/なかがわ・まさこ

1973年神奈川県生まれ。自然な表情をとらえたポートレート、光る日々のスライス、美しいランドスケープを得意とする。写真展を定期的に行い、雑誌、広告、書籍など多ジャンルで活動中。2011年3月より岡山を拠点に、国内外を旅する日々。最新作は135年の伝統を持つ倉敷帆布の日常を収めた「An Ordinary Day」。ほか写真集に「新世界」「IMMIGRANTS」「ダレオド」など。文章執筆の仕事も多数。2023年に初のエッセイ集を発表予定。

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