小型風力発電普及へのチャレンジ

毎日を生きていく中で、私たちはさまざまな場面で
風の力に接します。
夏の昼下がりの公園を吹き抜ける風や、
冬のロッジに吹きつける風。台風の前の不穏な空気。
それらは大気の大規模な移動であり、
偉大なエネルギーを感じます。
このエネルギーを、
もっと私たちの生活の役に立てられないだろうか。
そんな思いから始まったバルミューダのチャレンジを紹介します。

電力を使う。
そして作る。

バルミューダは2010年に、DC扇風機GreenFanを発売しました。それは、従来に比べて約1/10の省エネルギー性能を持ち、独自の羽根で自然界の風の再現した扇風機。暑い夏を、最少の消費電力で快適に過ごしたい。そんな思いから生まれた製品です。
その後バルミューダは、さまざまな生活家電を作ってきましたが、今回「電力を使う」だけでなく「作る」領域へ、挑戦の幅を広げていきます。

独自の二重構造を持つGreenFanの羽根は、豊かな風を送り出します。逆に風を受け止める力も大きいのではないかというアイディアから、この羽根を原点として、社内で風力発電の研究開発が始まったのは、数年前のこと。
それから私たちは性能の向上を目指して数百種類の発電用の羽根(タービン)を作り、改良を続けてきました。

現代の風力発電

現代の風力発電用タービンは、効率を追求する中で、大型化と高速化が進んできました。その直径は200mを超えるものもあり、ブレード先端の回転スピードは時速300kmを超えます。設置場所を選ぶようになりました。
風は、丘の上や、ビルの間、小さな漁港など、様々な場所で吹いています。身近な電力消費地の近くで風力発電を行うには、小型の風力発電機が必要になりますが、騒音や、エネルギー変換効率などが課題になっていました。

開発中

バルミューダの
タービン

Multi - blade turbine

特許出願中のバルミューダのモダン・マルチブレードタービンは、GreenFanを原点とする独自の二重構造が特徴。内側と外側に二種類のブレードを配置することで、それぞれが回転力を生み出し、これまでになかった特性を実現しています。
研究室の実験では、直径1メートル以下の小型サイズ、低い回転速度と静音性、これらを保ったままで優れたエネルギー変換効率が確認されています。

モダン・マルチブレードタービンについて

一般に、発電用タービンは、その回転速度が速いほどエネルギー変換効率も高まるとされており、現在は細いブレードを持つプロペラ型が主流になっています。バルミューダが挑むのは、モダン・マルチブレードタービンとよばれるジャンル。回転速度を抑えて静音性を保ちながら、高いエネルギー変換効率を実現できる可能性があります。

主要な各種タービンの
パワー係数と周速比の関係の一例

グラフは左右にスクロールできます

*1 パワー係数:風のエネルギーを1とした時に、タービンが変換できるエネルギーを表す値
*2 周速比:羽根の先端が風速の何倍の速度で移動しているかを表す値

実証実験

バルミューダの発電用タービンの研究開発は数年前から始まり、社内や、研究機関の風洞設備で性能を確かめてきました。そして更なる技術確立のために、実際に使用される屋外・野外での実験が必要な段階を迎えました。
本開発案件は、研究室からフィールドへ、次の段階へ移行。2023年10月より、実証実験を開始しています。

風の力

小型で高効率、静音性と安全性に優れた風力発電機が実現されたら、これまで大型風車を設置できなかったさまざまな場所で、風の力を受け取れることになります。そしてそれはきっと私たちの生活の役に立つでしょう。
バルミューダは、自然エネルギー利用の可能性を最大化するために、チャレンジを続けていきます。