LoveFromと バルミューダが 思い描いた灯り
ある一通のメールからはじまったプロジェクト。ジョニー・アイブ氏率いるクリエイティブ集団 LoveFromとバルミューダが出会い、ひとつのランタン「Sailing Lantern」が生まれるまで。
欲しいと思うランタンがない
元Appleの最高デザイン責任者のジョニー・アイブ氏は、自分のヨットで使うために、海という過酷な環境でも耐えうる、かつ美しいランタンを探していました。しかし、理想とするものには出会えず 「ならば自分で作ろう」と考えます。
そんな中、以前からバルミューダを知っていたアイブ氏は、東京のブランドストアを訪れ、BALMUDA The Lanternの灯りに出会います。そして、店頭に並ぶプロダクトに一貫して流れる思想やものづくりへの姿勢に深く共感し、このチームと一緒に作りたいと考えるようになったといいます。
「“何を作るか”よりも“誰と一緒にやるか”の方が遥かに大事だ。どういうものづくりをしたいのか、製品を見ていたらとてもクリアにわかった、だから一緒にやりたいと思ったんだ」
一通のメール
そして、2024年のある日、バルミューダのサポートセンターに一通のメールが届きます。差出人はジョニー・アイブ氏率いるLoveFrom。そこに書かれていたのは「一緒にランタンをつくりたい」。あまりに信じられない内容だったため、本物とは思われず一度は見送られます。しかし再びメールが届いたことをきっかけに、半信半疑ながらも連絡を取ることに。ここから約2年にもおよぶプロジェクトがはじまります。
時間を照らす灯り
Lovefromとバルミューダの海を越えた共同開発は、デザインの思想やコンセプトの議論を重ねることから始まりました。そして生まれたのが、「空間を照らす道具ではなく、時間を照らす灯りをつくる」という考え方です。
たとえば、電源を切った瞬間にパチンと光が消えるのではなく、まるで夕日が沈むようにゆっくりと光が余韻を残しながら消えていくー。単なる照明器具としてではなく、その道具を使った場に流れる時間や空気感までも、デザインすることを目指します。
夢を現実にする作業
このプロジェクトでは、LoveFromがデザインを、バルミューダがエンジニアリングを担当。アイブ氏には、理想とするランタンのイメージがありました。それは図面や言葉だけでは表現しきれない、使った時の感覚や体験まで含めたものです。そのイメージを理解し、素材や構造など、一つひとつを現実の形にしていくことはバルミューダにとって挑戦の連続となりました。
プロダクト以上に残ったもの
このプロジェクトを寺尾は振り返ります。「私がものづくりを始めたきっかけともなったジョニーと仕事ができたことは、心から嬉しい出来事だった」。またジョニー・アイブ氏も「一番価値があったのは、共にものづくりをした時間だった」と語ります。約2年にわたるものづくりを経て、二人の間には、ひとつのプロジェクトでは終わらない深い理解と信頼が生まれました。
異なる文化、異なる背景を持つチームが、「本当に良いものつくりたい」という同じ理想に向かってものづくりに真剣に向き合い、誕生したSailing Lantern。光を届ける道具であると同時に、純粋で創造的なパートナーシップとから生まれたコラボレーションの証でもあります。
Written byバルミューダ ジャーナルチーム