足利大学・飯野研究室と連携し、第45回風力エネルギー利用シンポジウムにて論文を発表。

バルミューダ株式会社は、小型風力発電の共同研究を行う足利大学・飯野研究室と連携し、当社が研究開発中の小型風力発電用タービン(モダン・マルチブレードタービン)の風洞実験結果を、2023年12月に開催された、第45回 風力エネルギー利用シンポジウムにて論文発表したことをお知らせします。  

当社では現在、小型風力発電機の研究開発に取り組んでおり、世界風力エネルギー学会副会長である荒川忠一・東京大学名誉教授をシニアアドバイザーに迎え、足利大学・飯野研究室(工学部創生工学科機械分野)と共同して研究を進めています。今回は、今年9月12日(水)にJAXA(宇宙航空研究開発機構)にて実施した風洞実験の結果に関する論文を発表しました。  

出力が数kW以下の小型風力発電機は、設置・導入の容易さから、現在も幅広く利用されており、本研究では、小型かつ低速でも発電が可能なバルミューダ独自の二重構造をもつ「モダン・マルチブレードタービン」のコンセプトを検証し、その実験結果を報告したものです。 

 

タイトル:小型風力発電用モダン・マルチブレードタービンの開発 
― 第一報 二重構造ロータの基本特性の風洞試験 ― 

発表者:足利大学・飯野研究室(工学部創生工学科機械分野)飯野光政 講師 

 

発表内容要旨 

今回実験で用いた、バルミューダ独自の「モダン・マルチブレードタービン」は、二重構造の羽根が特徴。外側の羽根が最大の効率で発電し、内側の羽根でエネルギーロスを低減するように設計されています。また外側の羽根は、タービン設計において重要な理論である翼素運動量理論に基づき設計されており、羽根先端には三角形の突起を備えている構造です。 

直径0.52mと0.75mの二種類のプロトタイプを試作しJAXA (宇宙航空研究開発機構) の風洞施設にて実験を行いました。結果として、基本的な特性は一般的な風力発電タービンと同様の傾向を示しつつ、直径0.52mでは最大パワー係数0.42(風速6.0m/s)、直径0.75mでは最大パワー係数0.48(風速6.0m/s)を記録。これらはいずれも周速比が2〜3と低い値において記録しており、バルミューダのタービンが低周速比ながら高いエネルギー変換効率をもつことが証明されました。 

今後は、実験的なアプローチに加え数値流体力学解析を用いることで、高いパワー係数の要因解明を行い、さらなる形状の最適化を目指してまいります。 

 

今後の取り組みについて 

当社は、エネルギーの地産地消を目指し、人々の生活の近くでの稼働を目的とした、実用性と安心感を両立する新たな小型風力発電機の実用化を目指します。 

今後、更なる研究開発と実証実験を重ねることで、小型で高効率の風力発電を実現し、再生可能エネルギーの利用可能性を最大化するために取り組んでいきます 

 

風力エネルギー利用シンポジウムとは 

日本風力エネルギー学会が主催する「風力エネルギー利用シンポジウム」は、風力エネルギーにかかわる最新情報と今後の方向性を共有するだけでなく、風力エネルギーの高度利用および関連技術の新たな進展に関する学術論文の発表の場として開催され、今年で45回目を迎えています。