確かなおいしさと、爽快な余韻をもたらしてくれるカレー。その圧倒的な満足感は翌日までも続くほど。前日に食べたスパイスの香りが、眉間のあたりにふと蘇り、またあの刺激を求めて、気づいたらその日もカレーを食べていた… そんなことがしばしば起こってしまうほど、カレーには抗えない魅力が詰まっています。
筋金入のカレー好きを自負していますが、数年前の夏、衝撃を受ける出来事がありました。友人が泊まりにきた次の日の昼のこと。昨晩ふるまったカレーを前にして、友人がある提案をしました。「焼きカレーにしない?」
焼きカレー?聞きなれないメニューを反復する私を置いて、友人は慣れた手つきで準備をはじめます。わずか15分。スパイスとチーズの焦げる香ばしい香りとともに現れたのは、新しいごちそうでした。美味しい!!思わずそのアイデアを称えると、彼いわく、焼きカレーをはじめ、カレーうどん、カレーコロッケなどなど。前夜に作ったルーを変身させてとことんカレーを味わい倒すのが彼の家の定番で、そういった楽しみ方をする家庭も少なくないといいます。兄弟の多かった私の実家では、カレーは即日鍋ごと平らげるのが常。悲しいかな、私は翌日のカレーの魅力を知らないまま大人になってしまったのです。
じわりと汗がにじむこの季節になると、さわやかな刺激をからだが求めはじめます。今ではすっかり、翌日のお楽しみも算段にいれて作るようになったカレー。今年の夏は一体、何食作ることになるのでしょうか。
The Recipe
自信をもっておすすめする、こだわりカレーレシピ
新宿中村屋のチキンカリー
レシピを見る伝統の純印度式カリーに近い味をご家庭でも楽しめるようアレンジした、新宿中村屋のレシピ。骨付き鶏肉を使うことでおいしいダシがとれ、コクのあるソースが出来上がります。
A Tasty Story
おいしさの記憶と、特別なレシピをお届けします。
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