給食ほど、たくさんの人と共有できる食の体験が他にあるのでしょうか。カレーやクリームシチュー、ソフト麺など誰しもが思い出す定番のメニューの数々。なかでも「揚げパンが忘れられない味だ。」という方は、私だけではないはずです。
小学生の頃。夕飯の匂いが漂う台所を覗き、母とたわいのない今日の出来事を話しながら、冷蔵庫に貼ってある学校で配られた給食の献立表を眺めるのが好きでした。とりわけ「明日は、揚げパンだ」という日には、心が躍ったものです。
翌日、給食の時間に配膳を待つ間。食いしん坊な私は、「揚げパンがどうか余って、おかわりができますように」と心の中で祈っていました。
「いただきまーす」の掛け声とともに、誰よりも早く揚げパンを頬張ります。口の中いっぱいに広がるきな粉の香ばしい風味と、思わず笑みの溢れる砂糖の甘さ。そして、そのふたつの“おいしい”を受けとめた油の染み込んだパンが、友達の声をかき消すほどおいしかったことを覚えています。
今でも、時折思い出しては、BALMUDA The Toasterを使って作ります。コッペパンにバターをたっぷり塗りリベイクしたあと、きな粉と砂糖を贅沢にまぶして、できあがり。
あの頃は牛乳でしたが、今はコーヒーを淹れ、甘く心地よい思い出を味わっています。いくつになっても、色あせない思い出の味。大人の給食をぜひ、お楽しみください。
A Tasty Story
おいしさの記憶と、特別なレシピをお届けします。
チーズトーストに
かける想い よろこびの洋食 大人の方が
おやつは楽しい テイスティな夜 ささやかな発明 スパイス・オブ・ライフ 小さな家のチーズ&チップス 時をこえるおいしさ フィレンツェの出会い 大きなおくりもの 揚げパンの引力
The Recipe トップ
かける想い よろこびの洋食 大人の方が
おやつは楽しい テイスティな夜 ささやかな発明 スパイス・オブ・ライフ 小さな家のチーズ&チップス 時をこえるおいしさ フィレンツェの出会い 大きなおくりもの 揚げパンの引力